シッダールタ

ドイツの詩人・小説家ヘルマン・ヘッセが書いた「シッダールタ」という小説があります。
お釈迦様の半生を描いた作品です。

この小説が気に入って大学生の時何度も読み返しました。
大学生のときに読んで以来、うん十年の歳月が流れています。
美しい小説です。
副題に「インドの詩」とあるのが納得できます。
読み返してみて、記憶違いをしている箇所が多々ありました。
シッダールタが渡し守のヴァズデーヴァに語る場面。
最初はヴァズデーヴァが結構話をしています。
ヴァズデーヴァがシッダールタの話に耳を傾け聴き入っているのは、船の上ではなく川辺で川の流れを見ながら。
それから、シッダールタが息子に振り回される部分は全く記憶にありませんでした。

この小説を読み返してみて、この小説は読んだということが重要なのではなく、読んでいる瞬間にこそ価値があるように思えてなりません。

しかし、ヘルマン・ヘッセはインドの思想に精通していたのですね。

この小説を読み返して「美しい」と思ったとき、マーラーの交響曲「大地の歌」を思い浮かべました。